パートナーが遅漏やEDのとき カップルで解決するためのメソッド
性の悩みは一人で抱え込まずに、カップルで話して解決の糸口を探ることが大切です。
しかし、EDや遅漏などについて、女性から男性に伝えるのは難しいこともあるでしょう。
今回は遅漏トレーナーの赤木さんに、主に遅漏と膣内射精障害について、女性から男性へのおすすめの伝え方や、うまくいった改善事例を紹介いただきます。
注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。
この記事の協力者
赤木 達人 TENGAヘルスケア専属遅漏改善トレーナー
社会人になってから、自分が重度の遅漏(膣内射精障害)であることに気づく。結婚後に自力で膣内射精障害を克服し、その経験から男性の性機能障害についてSNSで「ゴリ太郎」という名前で情報発信を行っている。3児の父。
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あや、どうしたの?モヤピンが解決してあげるよ!
ありがとうモヤピン。しょうたが最近EDや遅漏っぽい時があるんだよね。これって私に原因があるのかな…。
ふーん。しょうたの問題であやが悩むこともあるんだね。人間って大変だね。
モヤピンにはわかんないから、じゃあ人間カップルの具体的なお悩みということで、専門家をお呼びしちゃおうか!
女性からのお悩み相談もよく受けているという遅漏トレーナーの赤木さんに話を聞いてみよう!
遅漏や膣内射精障害に関する相談の3割はパートナーから
赤木さん、今日はよろしくお願いします~!
赤木さん、こんにちは!あやと言います。
実はパートナーが最近、EDや遅漏っぽい時があって。自分に原因があるのかなとか、気になるんですが聞けないんです…。
モヤピン、あやさん、よろしくお願いします!
私は普段から遅漏・膣内射精障害に関する相談を受け付けているのですが、実は相談の約3割は当事者の男性からではなくパートナーからなんです。
そうなんですね!私と同じように悩んでいる人が結構いるんですね。
統計をとっているわけではありませんが、世の中のカップルのうち、相手の性機能(遅漏やEDなど)について悩んでいる、何かしら不満を感じている方はかなりいるのではないでしょうか。
相談内容を伺うと、ほとんどの方が「性の話題をどのように相手に伝えていいかわからない」と言います。
性のことがまだまだタブー視される現代社会では、無理もありません。勇気を出して伝えていたとしても、相手が答えをはぐらかして、自分の想いがうまく伝わらないことも多々あります。
そうそう、どう切り出したらいいのかわからないんですよね。何かアドバイスはありますか?
遅漏やEDの悩みはカップルの問題として捉えるとうまくいく
私のもとに寄せられた相談のうち、カップル間で性の話ができて、さらに性機能障害が改善したというケースももちろんあります。
そのようなうまくいったケースにはある共通点があります。それは、遅漏やEDなどの原因が当事者にあっても、カップルの問題として捉えることです。
んん?遅漏もEDもしょうたが原因なのに「カップルの問題として捉える」ってどういうこと?
イメージとしてはカップルの間で矢印を向かい合わせるのではなく、「理想としているセックス像」に向かって矢印の方向を同じにするという感じです。
「今日のセックスも良かったけど、もっとこうしたら良くなると思うから一緒にやってみない?」
このような切り出し方は相手にプレッシャーも与えづらいし、「相手に迷惑をかけているかも」と思っているパートナーでも、安心して改善に取り組むことができます。
ふむふむ。「理想としているセックス像」なんて、考えたことなかったかも…!
膣内射精障害は当事者に原因があることがほとんどですが、それでもカップルの問題として捉えて2人で話せれば、改善のための大きな一歩になります。
2人の共通理解と協力は、性機能障害の改善のために非常に重要です。
話し合いをするときに注意したいこと
カップルの問題として二人でセックスについて話し合うことの大切さはわかったけど、その時に注意することはありますか?
はい、遅漏やEDの方とその話をするときに大切なのは、相手にプレッシャーをかけないようにすることです。男性はプレッシャーや不安でEDや射精障害になってしまうことが知られています。
例えば、「どうして治してくれないの? 治すって何度も言っていたのに…」というように感情を伴って強く迫られると、耳と心のシャッターが下りてしまう方は少なくありません。
それが原因でセックスレスやEDになってしまうケースは実際にあります。
なるほど。私もセックスのことで何か責められたらセックスが嫌になっちゃうかも。相手を責めるようなことは言っちゃだめですね。
モヤピンもプレッシャーかけられるのはイヤだな…。つい逃げたくなるよ。話すときはどんなタイミングがいいの?
オススメのタイミングは「セックスが終わった後」
性に関する話題はセックスの時にするのが負担が少ないと思います。
特に射精後の賢者タイムは落ち着いて話を聞いてくれるでしょう。
セックスが一通り済んだあとに、「二人でもっとセックスを楽しみたいから」、「愛を感じあえるものにしたいから」といった切り出し方なら相手を身構えさせることがありません。
「二人で」というキーワードは(たとえそうであっても)当事者だけの問題じゃないことが伝わります。
賢者タイムはお互いすぐ寝ちゃうけど、その前に話せたらいいね。今日のセックスに対する感想会とかって形はどうですか?
いいですね。ただし、それでも相手が答えをはぐらかしたり、行動を変えてくれないこともあるでしょう。
そんな場合は、重要な問題であることを認識してもらうために、時間を確保し、ソファやベッドに横並びに座って話すようにしてください。
セックスについて、真剣に話すタイミングってなかなかないよね〜。毎月1回話す時間を作るとか、ルールを決めておいても良いかもね!お菓子も用意しよう!
二人で解決できないときは第三者に相談しよう
どうしても二人で解決できなかったらどうすればいいですか?
性の話題はデリケートなこともあり、二人で話し合ってもうまくいくことばかりではありません。その場合、思いきって第三者に相談するのも良いでしょう。
例えば、日本性科学会ではセックスセラピスト・セックスカウンセラーという専門家の資格認定をしており、その一覧をホームページで公開しています*¹。
相談はほとんどが有料ですが、解決まで丁寧に寄り添ってくれます。また日本性科学会自体にもカウンセリング室が設けられています*²。
性のお悩み相談先
「専門家への相談は躊躇してしまう」という方には、TENGAヘルスケアが運営する【フィニッシュトレーニングサポート】の公式LINEで、遅漏トレーナーの赤木が相談を受け付けています。まずは下記のQRコードよりアクセスしてみるのもよいと思います。
専門家への相談は、治療の優先度が高い場合(妊娠を希望しているなど)にはとくに有効だと思います。
いきなり本人に話すより、専門家に相談してみて少しずつ解決に向かうのもいいですね!
カップルで膣内射精障害を乗り越えた事例
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ここで私のもとに寄せられたパートナーの膣内射精障害に関するご相談で、うまく解決した事例をご紹介します。
Aさん(20代女性)は、将来結婚を考えているパートナー(20代男性)の膣内射精障害がなかなか改善せず、それを自分からどのように伝えるべきか、プレッシャーにはならないだろうかと悩んでいました。
ご相談いただいてから、私からはおおよそ週に一度、メッセージでやり取りしながら、先ほどお伝えしたような注意点や伝え方、伝えるタイミングなどをアドバイスさせていただきました。
Aさんのタイミングでアドバイスをもとに実行に移していただいたところ、パートナーからも膣内射精障害であることや何度改善を試みてもうまくいかなかったことなどの告白がありました。そこではじめて、お互いのセックスへの価値観やこれまでの経験などを話し合う機会になりました。
その後も、話し合いの内容をヒアリングさせていただき、Aさんからは見えていないパートナーが考えているかもしれないことを伝え、なるべく視野が狭まらないように努めました。
話し合いを経て、お互いに射精がないセックスを受け入れ、「射精しなければならない」という執着を手放すことができました。そのプレッシャーからの解放によって、最終的に膣内射精も可能になりました。相談があって約3ヶ月での克服でした。
膣内射精ができた時には抱き合って喜ばれたそうで、私も大変うれしかったです。
一緒に考えて向き合うことで二人にとって納得のいく選択ができたんですね!
悩みをきっかけに絆を深めるキーワードは「二人で」
「パートナーとの性の話は不安」という方は非常に多いと思います。
しかし、話をせずに状況が好転することは中々ありません。
勇気を出して、「二人で」というキーワードを添えて切り出してみてください。
当事者の方は、自分の遅漏、早漏、EDなど性に関することを深掘りされたくないと思います。
好きな人の前で弱みを見せたくない気持ちは非常にわかります。
しかし、「隠し事をされたくない」「話してほしい」と思っているパートナーが多数派です。
性の話ができると二人の絆はより一層深まっていくのではないかと思います。
私も視野を狭めずに、しょうたの気持ちも聞いて理解を深めていきたいな。焦らないで、二人でセックスが楽しめるようにしたい!
うんうん。あや、いいね。しょうたはプレッシャーに弱そうだし、賢者タイムの時とか、ソファでくつろいでいる時に話してみると良いかもね。
二人が理想のセックスに向かって話し合えたら素敵ですね。応援しています!
【参考/出典元】
*1 一般社団法人 日本性科学会 セックスカウンセラー・セラピスト一覧
https://sexology.jp/counselors_list/
*2 一般社団法人 日本性科学会 カウンセリング室について
https://sexology.jp/counseling/
この記事を書いた人
矢野 真奈 TENGAヘルスケア社員
大学では社会学を専攻。日本の性教育の遅れを感じ、何か自分にできることはないかと学生団体の立ち上げやイベントの運営に関わる。2023年にTENGAヘルスケアに入社、SNSやセイシルの運営などを担当。
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はああ…。