骨盤底筋とは 尿もれ・臓器脱予防にゆるませるべからず
骨盤底筋は女性の健康において非常に重要な役割を果たしています。
しかし、見えない位置にあるため、その役割や存在を知らない人も多いでしょう。
今回は女性の骨盤底筋の基礎知識と、どのように健康に役立っているかを紹介します。
注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。
この記事の監修
~あやとみらい、温泉上がりに~
どうしたの?
たぶん水?が漏れて、下着が濡れちゃったみたい。最近、お風呂上がりにたまに起きるんだよね。
えっ、そんなことあるんだ!
下着が濡れるのも困るし、地味に悩んでいるんだよね…。これって何なんだろう。
ハロー!お困りのようだね!あやのそれは、膣からの「お湯漏れ」だYO!
だ、誰~~~!?
骨盤底筋とは?
骨盤底筋って何なの?ネットニュースでなんとなく聞いたことがある気がするけど。
私はちょっとだけ知ってる!尿漏れとかに関係する筋肉じゃなかった?
そのと〜り。骨盤底筋はユーたちの体を陰ながら支えて、健康を保ってくれているんだ。骨盤底筋の主な役割を紹介するYO!
骨盤底筋(こつばんていきん)は、骨盤の下部に付着しているハンモック状の筋肉群の総称です。
正確には「骨盤底筋群」と呼ばれます。
骨盤底筋は外からは見えませんが、日常生活で非常に重要な働きをしています。
骨盤底筋にはどんな役割がある?
骨盤底筋の主な役割
-
臓器を支える
膀胱、子宮、直腸などの骨盤内臓器を正しい位置に保ちます。
-
排尿・排便の調節
収縮・弛緩して排泄をコントロールします。
男女共に、骨盤底筋は内臓の支持や排泄のコントロールをしているんだ。骨盤底筋の筋力を鍛えるのは、QOL(生活の質)の維持にとっても大切だYO!
あやのお湯漏れも、骨盤底筋の筋力低下が原因さ。
そんな大事なものだとは知らなかったわ。骨盤底筋の筋力が弱くなると、他にどうなっちゃうの?
骨盤底筋がゆるむとどうなる?
女性の骨盤底筋は、出産や加齢で筋力が低下し、ゆるむことがあります。
骨盤底筋のゆるみにより、以下のような問題が発生します。
骨盤底筋の筋力低下(ゆるみ)で生じる問題
-
尿漏れ
-
骨盤臓器脱
-
性生活の満足度の低下 など
1.尿漏れ
女性の骨盤底筋の筋力不足は、尿失禁に直結します。
女性の尿失禁には主に以下の2種類があり、骨盤底筋の筋力低下は、この両方の失禁リスクを増加させます。
尿失禁の種類
-
腹圧性尿失禁
尿道の閉鎖圧が腹圧に負けて尿が漏れる。笑ったりくしゃみの際に生じる。
-
切迫性尿失禁
膀胱の異常収縮で急に尿意が生じ、漏れてしまう。
尿失禁には、まず恥ずかしさや臭いの問題があります。
それに加え、たとえ頻度が少なくても尿漏れの不安を抱える生活になると、外出や旅行を控えがちになったり、常にトイレの場所を気にするようになったり、運動や遊びもアクティブに楽しめなくなってしまいます。
男性にも骨盤底筋の筋力低下による失禁リスクはありますが、そもそも尿道が女性の約4倍長いため、女性と比較してリスクは低くなります。
でも、私たちはまだ20代だし、尿漏れで悩むのはもっと先じゃない?
実は、20代でも尿失禁の経験者は5人に1人っていうデータもあるYO!
年齢関係なく要注意ってことね。前に勤務先の小学校で縄跳びした時、漏れそうな感覚があったな。ちょっと心配だなぁ…。
2.骨盤臓器脱
骨盤臓器脱とは、子宮や膀胱、直腸が膣や肛門から外に飛び出す状態です。
原因は骨盤底による臓器支持機能の破綻です。
骨盤臓器脱は総称であり、脱してしまう臓器によって、子宮脱、膣脱、膀胱瘤、直腸瘤、小腸瘤と呼ばれます。
特に、女性は臓器の数が男性より多く(膣と子宮)、更に骨盤底部の穴が横に広く、臓器が脱する出口(膣)もあるため、臓器脱のリスクが上がります。
骨盤臓器脱は生命にリスクのある疾患ではありませんが、QOLを低下させます。
軽症の場合は骨盤底筋のトレーニング含め、対症療法による重症化の予防が可能です。
ただし、完治するには手術が必要となり、しなければ生涯つきあって行く必要があります。
3.性生活の満足度低下など
骨盤底筋は上記の他、排便のコントロール、姿勢の維持/体幹の安定、腹圧のコントロール、性機能(膣潤滑、性的快感、オーガズムなど)などにも関連していると考えられています。
つまり、骨盤底筋の筋力不足や不安定さは、便失禁や便秘、腰痛、性機能障害(性交痛、オーガズム障害など)を引き起こす可能性があります。
しょうたとのセックスの時に、濡れにくかったり、痛みが強かったことがあるわ。これも骨盤底筋の筋力低下が原因なの?
柔軟性や可動性の問題もあるかもしれないNE。骨盤底筋と性機能の関係性は、まだ十分検証されていない領域でもあるんだ。
でも、骨盤底筋のトレーニングで性交痛や濡れにくさが改善されたという話もあるから、ぜひ鍛えてみてYO!
骨盤底筋はトレーニングで鍛えられる
骨盤底筋は、自分の意思で収縮させることでトレーニングできます。
骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れや臓器脱をはじめとする、骨盤まわりの問題を予防・改善することができます。
特別な道具無しで日常的に実施できるので、ぜひ習慣化してみてください。
骨盤底筋の動かし方(イメージ)
-
骨盤底筋を動かす動きは、放尿中に尿を途中で止めたり、おならを我慢するときと同じだYO。
膣、尿道、肛門全体を体内に引き込むイメージで動かすと良いYO。
骨盤底筋トレーニングの流れ
-
力を2~3秒間入れ続け、その後4~6秒間リラックスします。
-
この動きを10回で1セットとして、まずは1日3セット行いましょう。
-
慣れてきたらセット数を増やしたり(最大10セット)、収縮時間を長く(最大10秒間)していきましょう。
思ったより簡単にできそうね。
むぐぐぐ…こうかな?
Oh!あやの今の力の入れ方だと、「いきみ」になってしまってるね。お腹やお尻には力が入らないように、骨盤底筋だけを動かすのがポイントYO。
何度もやってみたら、ちょっとコツが掴めてきた気がする!
骨盤底筋にちゃんと力が入れられているか確認したい時は、下の話も要CHECK!
あわせて読みたい
女性のQOLに大事な骨盤底筋 日常生活にトレーニングを取り入れよう
今回は、骨盤底筋の役割について紹介しました。
骨盤底筋は、女性のQOL維持にとても大切な筋肉です。
トレーニング自体はとても手軽なので、日々意識して取り入れてみてください。
あれから毎日骨盤底筋トレーニングするようになったら、お湯もれすることが無くなったよ!
私も、歯磨き中とか通勤中にやるようにしてるよ。血行も良くなったのか、生理痛も軽くなったし、いいことづくめだね。
ナイスだね!健やかな骨盤底は一日にしてならず!これからもぜひ続けていってね!
この記事を書いた人
原田 樹 TENGA社員
大学では幼児教育を専攻。保育士を経た後、広告代理店に転職。タブー視されている性の話題について深く掘り下げたいと感じ、2022年にTENGAに入社。現在はTENGAヘルスケアのブランド・製品・サービスのPRを担当。
この人の記事一覧記事をシェアする
ふーっ、気持ちよかった。久しぶりの温泉って最高! …あっ。