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男性ができる4つの性交痛ケア 女性が最もしてほしいこと

2024-11-15

 多くの女性が体験する「性交痛」。

 性交痛の話は女性視点になりがちですが、男性でも「パートナーに性交痛があるか気になる」という方は多いのではないでしょうか?

 今回は調査結果を基に、性交痛に対する男女の認識差と、男性にもできる性交痛対策を解説します。

注)本記事で取り扱う「性交痛」は、ペニスの膣挿入に伴う「性交痛」に限定します。前戯での「性交痛」は、本記事では対象外としています。

注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。

この記事の監修

監修者:福元和彦

福元 和彦 医師

福元メンズヘルスクリニック 院長
■泌尿器科医 ■性機能学会専門医 ■抗加齢医学会専門医 ■排尿機能学会認定医

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しょうた


性交痛?フッ、あやからも言われたことないし、俺には関係ないな。

モヤピン


すごいねしょうた、じゃあモヤピンたちはこの話は聞かなくていっか。

ヴァギーラ


ちょっと待ったー!

モヤピン


ん、ヴァギーラじゃん、そんなに怒ってどうしたの?

ヴァギーラ

性交痛がないって、それあや本人がそう言ってたの? 性交痛があっても相手に伝えられない女性は結構多いのよ。

しょうた


え、そうなの? でも言ってくれないなら、どうしたらいいんだい?

ヴァギーラ


安心して、その辺りも解説してあげましょう。

    性交痛への男女の認識に差はある?

     今回は、2020年にTENGAヘルスケアが実施した「性交痛に関する調査」から、性交痛への男女の認識を紐解いていきます。

     この調査では、過去1年間で数回以上セックスをした20~40代の女性269名、および男性285名に性交痛に関する質問をしました。

    多くの男性が性交痛に気付いている?

    性交痛を感じる頻度 性交痛に気付く頻度のグラフ

     こちらは女性が「性交痛を感じる」頻度と、男性が「相手(女性)が性交痛を感じているな」と思う頻度です。

     約6割の女性が「性交痛を感じている」ことがわかります。

     一方男性でも、約6割が「相手が性交痛を感じていると思う」と回答しました。

     両者の割合が近いことから、「女性が性交痛を感じた際に、それに気付けている男性は多い」と推測できそうです。

     ただし、この調査は男女別々に実施されたので、女性が性交痛を感じた際に、何割の男性がそれに気付けているかは、カップルを対象とした更なる調査が必要です。

    ほとんどの男性が、女性の性交痛に気をつけていた

    性交痛に気を付けてもらいたいか 性交痛に気を付けているかのグラフ

     次に、性交痛への気づかいについて、男女それぞれの認識を見てみましょう。

     「痛くないように相手(男性)に気を付けてもらいたいか」という質問に対し、9割近く(85.9%)の女性が「とても思う」「多少思う」と回答しました。

     一方男性でも、相手が痛くないように「とても気を付けている」「多少気を付けている」という回答の合計は約9割(87.5%)でした。

     実際に性交痛が生じているかは別として、ほとんどの男性が「性交痛に気を付けている」と言えます。

    モヤピン

    9割近くの男性が気を付けているのに、性交痛のある女性が多いのは何でだろうね?

    ヴァギーラ

     

    気を付けているつもりでも、ポイントを外してたり、十分じゃないのかもね。

    女性の多くは「性交痛に気付いてほしい」

    多くの女性は性交痛に気付いてほしい

     女性が性交痛を感じた際、「そのことを相手(男性)に気付いて欲しいか」について、約9割(89.3%)の女性が「とても思う」もしくは「多少思う」と回答しました。

     ほとんどの女性は、「自分が性交痛を感じた際は、それに気付いて欲しい」ことが分かります。

    女性は性交痛を伝えづらい

     しかし、「性交痛を感じた時、それをパートナー(男性)に伝えられるか」という質問に対しては、

     約4割(43.3%)の女性が「とても難しい(伝えられない)」「そこそこ難しい(我慢できる範囲なら伝えない)」「気が進まない(少しの痛みなら伝えない)」と回答しました。

     約9割の女性が「性交痛に気付いて欲しい」一方で、それを相手に伝えられない人も多いことが分かります。

    女性が性交痛を伝えられない理由

     では、女性が「性交痛を相手に伝えづらい」理由は何でしょうか?

     「気兼ねなく伝えられる」と回答した人を除いた169名の、伝えにくい理由TOP5は以下の通りでした。

    性交痛を伝えられない理由TOP5

    • 雰囲気を壊したくないから(43.8%)

    • 相手に気を使って(一生懸命なのに悪いから、など)(35.5%)

    • 相手との仲を気にして(20.1%)

    • そもそも対処できないことだから(17.8%)

    • 自分のせいだと思うから(濡れが足りない、など)(11.8%)

     「雰囲気や相手(男性)へ気を使って、性交痛があっても伝えられない」という状況が多そうです。

    しょうた


    はへ~、「性交痛がある」ってもなかなか言えないんだね。

    モヤピン


    でもそれじゃあ、どうやって男のしょうたが確認したり対策すればいいのさ?

    ヴァギーラ


    OK、じゃあここからは男性でもできる性交痛対策を教えてあげるね。

    男性必見!今すぐできる性交痛ケア

     ここまでで、「多くの女性は性交痛を気遣って欲しいけど、性交痛があってもそれを男性に伝えづらい」ということが分かりました。

     そのような状況で、男性はどのように気を付ければ良いでしょうか?

    対策①痛くないかを言葉で確認する

    セックス中に性交痛や違和感を感じているイラスト

     挿入に限らず、セックスでは相手の反応をきちんと確認することが重要です。

     その際、最も確実な方法は「痛くない?」「続けても大丈夫?」といった言葉での確認です。

     相手の表情や動きから読み取ることもできますが、快感を得ているときと、痛みを感じているときの反応は似ているので、見分けが付かないこともあるでしょう。

     また、女性も「何かしら反応しないと」と思い、演技をしている可能性もあるので、男性から先に先に確認していくのが大切です。

     性交痛の可能性があれば、動きを止める/遅くする、セックスを一旦中断する、といった対応を取りましょう。

    ヴァギーラ

    言葉での確認は一番確実だけど、ただ聞けばいいってもんじゃないから、そこは注意してね。ムードを壊したくなくて、聞かれても素直に答えられない場合もあるし。

    だから相手が素直に答えやすい雰囲気づくりも大切よ。

    しょうた


    難しいこと言うなぁ…
    。具体的にはどうすればいいんだ?

    ヴァギーラ


    そうね。セックスの前に「もし痛かったら言ってね」って伝えるとかかな。

    対策②ゆっくり挿入し、挿入後はしばらく動かない

    女性器の構造を表した解剖図

     挿入する瞬間~挿入直後は、性交痛が頻発します。

     このタイミングでの性交痛対策は、以下を心がけましょう。

    • ゆっくり入れること

    • 膣の形に沿って入れること

    • 入れた直後は動かずなじませること(10秒以上)

     この大切さを理解するために、男性は自分の肛門に異物を挿入されることを想像してみましょう。

     きっと、「ゆっくりと、まっすぐ入れて、入れた後はしばらく動かさないでほしい」と思いますよね?

     挿入されるときの女性も同じ気持ちです。それを忘れずにおきましょう。

    対策③ピストンはゆっくりでOK

    NGを掲げるペ二丸

     AVでよく見られる高速ピストンは、基本的に演出です。通常のセックスでは、速過ぎるピストンは痛くなりがちです。女性に気持ちよくなってもらいたいなら、ピストンは気持ちゆっくりでOKです。

     90BPM(1分間に90往復)程度で十分ですし、挿入後の動き始めはもっと遅くてもOKです。

     ピストンの速度は、相手に確認しながら調整できると良いでしょう。

     また、バック(後背位)だとペニスが奥まで届き、それが痛みの原因になることがあります。バックでは、挿入の深さにも気を付けましょう。

    モヤピン

    サザンオールスターズの『TSUNAMI』が90BPM位なんだって。しょうたの持ち歌じゃん。

    しょうた

    まじか!!! (鼻歌)フフフフ~フフ~♪フフ~フフ~♪フフ~フフ~、できな~い~♪

    モヤピン


    歌いながらセックスすれば完璧だね!

    ヴァギーラ


    せめて心の中で歌ってよね…。

    対策④前戯を長めにする

     挿入前に、前戯を十分実施することも性交痛対策になります。

     女性は、前戯を通じて膣の潤滑性とリラックスが高まり、挿入の準備が整っていきます

     「前戯にどれくらい時間をかけるべきかがわからない」という男性もいると思いますが、答えは女性が「挿れてもいいよ」と言うまでです。

     また、前戯の触り方の基本は「やさしく」です。いくら長くしても、痛みや緊張感を伴う前戯は、あまり有効ではありません。

    対策⑤潤滑ゼリーを使用する

     最後にオススメの性交痛対策は、潤滑ゼリーの活用です。

     潤滑ゼリーは、ローションプレイ用ではなく、膣の潤滑補助用に粘度や質感が調整された潤滑剤です。

     膣の潤い不足は性交痛に直結するので、潤滑ゼリーでの潤い補助は効果的です。

     このような潤滑剤は「女性が用意するもの」と考えている男性は多いかもしれませんが、潤滑ゼリーは男性が用意してもOKです。

    潤滑ゼリーを用意している男性への、女性の感想

    • 安心する

    • 好感が持てる

    • 嬉しい

     ちなみに、女性の濡れ具合はその日の体調によって変わります。

     また、快感があっても濡れない場合もあります。

     「自分の彼女はいつも濡れてるから大丈夫だろう」と油断せず、普段から潤滑ゼリーを用意しておけるとスマートでしょう。

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    性交痛ケアは男性の心がけが重要

     調査結果から、

    • ほとんどの女性は男性にも性交痛に気を付けてほしい

    • しかし、性交痛があっても相手に伝えられない女性も多い

     ということがわかりました。

     性交痛は男性の気遣いで防げるケースも少なくありません。

     ふたりの充実したセックスのためにも、今一度自分たちのセックスを見直してみましょう。

    しょうた


    性交痛って、女性はなかなか言い出せないんだね。次のセックスからあやに確認してみるよ。

    モヤピン


    「関係ない」って言ってたのに、凄い変わりようだね。

    ヴァギーラ

    モヤピンも適切な性の知識を伝えられる妖精に早く変わってよね。しょうた、セックスの本音ってなかなか伝えづらいから、性交痛以外にもお互いに気づかいが大切だよ。

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    この記事を書いた人

    執筆者:牛場栄之

    牛場 栄之 TENGAヘルスケア社員(編集長)

    大学・大学院では神経科学を専攻、おとなセイシルでは性科学や性機能学、生理学の分野を主に担当。2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当。

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