男性ができる4つの性交痛ケア 女性が最もしてほしいこと
多くの女性が体験する「性交痛」。
性交痛の話は女性視点になりがちですが、男性でも「パートナーに性交痛があるか気になる」という方は多いのではないでしょうか?
今回は調査結果を基に、性交痛に対する男女の認識差と、男性にもできる性交痛対策を解説します。
注)本記事で取り扱う「性交痛」は、ペニスの膣挿入に伴う「性交痛」に限定します。前戯での「性交痛」は、本記事では対象外としています。
注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。
この記事の監修
すごいねしょうた、じゃあモヤピンたちはこの話は聞かなくていっか。
ちょっと待ったー!
ん、ヴァギーラじゃん、そんなに怒ってどうしたの?
性交痛がないって、それあや本人がそう言ってたの? 性交痛があっても相手に伝えられない女性は結構多いのよ。
え、そうなの? でも言ってくれないなら、どうしたらいいんだい?
安心して、その辺りも解説してあげましょう。
性交痛への男女の認識に差はある?
今回は、2020年にTENGAヘルスケアが実施した「性交痛に関する調査」から、性交痛への男女の認識を紐解いていきます。
この調査では、過去1年間で数回以上セックスをした20~40代の女性269名、および男性285名に性交痛に関する質問をしました。
多くの男性が性交痛に気付いている?
こちらは女性が「性交痛を感じる」頻度と、男性が「相手(女性)が性交痛を感じているな」と思う頻度です。
約6割の女性が「性交痛を感じている」ことがわかります。
一方男性でも、約6割が「相手が性交痛を感じていると思う」と回答しました。
両者の割合が近いことから、「女性が性交痛を感じた際に、それに気付けている男性は多い」と推測できそうです。
ただし、この調査は男女別々に実施されたので、女性が性交痛を感じた際に、何割の男性がそれに気付けているかは、カップルを対象とした更なる調査が必要です。
ほとんどの男性が、女性の性交痛に気をつけていた
次に、性交痛への気づかいについて、男女それぞれの認識を見てみましょう。
「痛くないように相手(男性)に気を付けてもらいたいか」という質問に対し、9割近く(85.9%)の女性が「とても思う」「多少思う」と回答しました。
一方男性でも、相手が痛くないように「とても気を付けている」「多少気を付けている」という回答の合計は約9割(87.5%)でした。
実際に性交痛が生じているかは別として、ほとんどの男性が「性交痛に気を付けている」と言えます。
9割近くの男性が気を付けているのに、性交痛のある女性が多いのは何でだろうね?
気を付けているつもりでも、ポイントを外してたり、十分じゃないのかもね。
女性の多くは「性交痛に気付いてほしい」
女性が性交痛を感じた際、「そのことを相手(男性)に気付いて欲しいか」について、約9割(89.3%)の女性が「とても思う」もしくは「多少思う」と回答しました。
ほとんどの女性は、「自分が性交痛を感じた際は、それに気付いて欲しい」ことが分かります。
女性は性交痛を伝えづらい
しかし、「性交痛を感じた時、それをパートナー(男性)に伝えられるか」という質問に対しては、
約4割(43.3%)の女性が「とても難しい(伝えられない)」「そこそこ難しい(我慢できる範囲なら伝えない)」「気が進まない(少しの痛みなら伝えない)」と回答しました。
約9割の女性が「性交痛に気付いて欲しい」一方で、それを相手に伝えられない人も多いことが分かります。
女性が性交痛を伝えられない理由
では、女性が「性交痛を相手に伝えづらい」理由は何でしょうか?
「気兼ねなく伝えられる」と回答した人を除いた169名の、伝えにくい理由TOP5は以下の通りでした。
性交痛を伝えられない理由TOP5
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雰囲気を壊したくないから(43.8%)
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相手に気を使って(一生懸命なのに悪いから、など)(35.5%)
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相手との仲を気にして(20.1%)
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そもそも対処できないことだから(17.8%)
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自分のせいだと思うから(濡れが足りない、など)(11.8%)
「雰囲気や相手(男性)へ気を使って、性交痛があっても伝えられない」という状況が多そうです。
はへ~、「性交痛がある」ってもなかなか言えないんだね。
でもそれじゃあ、どうやって男のしょうたが確認したり対策すればいいのさ?
OK、じゃあここからは男性でもできる性交痛対策を教えてあげるね。
男性必見!今すぐできる性交痛ケア
ここまでで、「多くの女性は性交痛を気遣って欲しいけど、性交痛があってもそれを男性に伝えづらい」ということが分かりました。
そのような状況で、男性はどのように気を付ければ良いでしょうか?
対策①痛くないかを言葉で確認する
挿入に限らず、セックスでは相手の反応をきちんと確認することが重要です。
その際、最も確実な方法は「痛くない?」「続けても大丈夫?」といった言葉での確認です。
相手の表情や動きから読み取ることもできますが、快感を得ているときと、痛みを感じているときの反応は似ているので、見分けが付かないこともあるでしょう。
また、女性も「何かしら反応しないと」と思い、演技をしている可能性もあるので、男性から先に先に確認していくのが大切です。
性交痛の可能性があれば、動きを止める/遅くする、セックスを一旦中断する、といった対応を取りましょう。
言葉での確認は一番確実だけど、ただ聞けばいいってもんじゃないから、そこは注意してね。ムードを壊したくなくて、聞かれても素直に答えられない場合もあるし。
だから相手が素直に答えやすい雰囲気づくりも大切よ。
難しいこと言うなぁ…。具体的にはどうすればいいんだ?
そうね。セックスの前に「もし痛かったら言ってね」って伝えるとかかな。
対策②ゆっくり挿入し、挿入後はしばらく動かない
挿入する瞬間~挿入直後は、性交痛が頻発します。
このタイミングでの性交痛対策は、以下を心がけましょう。
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ゆっくり入れること
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膣の形に沿って入れること
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入れた直後は動かずなじませること(10秒以上)
この大切さを理解するために、男性は自分の肛門に異物を挿入されることを想像してみましょう。
きっと、「ゆっくりと、まっすぐ入れて、入れた後はしばらく動かさないでほしい」と思いますよね?
挿入されるときの女性も同じ気持ちです。それを忘れずにおきましょう。
対策③ピストンはゆっくりでOK
AVでよく見られる高速ピストンは、基本的に演出です。通常のセックスでは、速過ぎるピストンは痛くなりがちです。女性に気持ちよくなってもらいたいなら、ピストンは気持ちゆっくりでOKです。
90BPM(1分間に90往復)程度で十分ですし、挿入後の動き始めはもっと遅くてもOKです。
ピストンの速度は、相手に確認しながら調整できると良いでしょう。
また、バック(後背位)だとペニスが奥まで届き、それが痛みの原因になることがあります。バックでは、挿入の深さにも気を付けましょう。
サザンオールスターズの『TSUNAMI』が90BPM位なんだって。しょうたの持ち歌じゃん。
まじか!!! (鼻歌)フフフフ~フフ~♪フフ~フフ~♪フフ~フフ~、できな~い~♪
歌いながらセックスすれば完璧だね!
せめて心の中で歌ってよね…。
対策④前戯を長めにする
挿入前に、前戯を十分実施することも性交痛対策になります。
女性は、前戯を通じて膣の潤滑性とリラックスが高まり、挿入の準備が整っていきます。
「前戯にどれくらい時間をかけるべきかがわからない」という男性もいると思いますが、答えは女性が「挿れてもいいよ」と言うまでです。
また、前戯の触り方の基本は「やさしく」です。いくら長くしても、痛みや緊張感を伴う前戯は、あまり有効ではありません。
対策⑤潤滑ゼリーを使用する
最後にオススメの性交痛対策は、潤滑ゼリーの活用です。
潤滑ゼリーは、ローションプレイ用ではなく、膣の潤滑補助用に粘度や質感が調整された潤滑剤です。
膣の潤い不足は性交痛に直結するので、潤滑ゼリーでの潤い補助は効果的です。
このような潤滑剤は「女性が用意するもの」と考えている男性は多いかもしれませんが、潤滑ゼリーは男性が用意してもOKです。
潤滑ゼリーを用意している男性への、女性の感想
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安心する
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好感が持てる
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嬉しい
ちなみに、女性の濡れ具合はその日の体調によって変わります。
また、快感があっても濡れない場合もあります。
「自分の彼女はいつも濡れてるから大丈夫だろう」と油断せず、普段から潤滑ゼリーを用意しておけるとスマートでしょう。
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性交痛ケアは男性の心がけが重要
調査結果から、
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ほとんどの女性は男性にも性交痛に気を付けてほしい
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しかし、性交痛があっても相手に伝えられない女性も多い
ということがわかりました。
性交痛は男性の気遣いで防げるケースも少なくありません。
ふたりの充実したセックスのためにも、今一度自分たちのセックスを見直してみましょう。
性交痛って、女性はなかなか言い出せないんだね。次のセックスからあやに確認してみるよ。
「関係ない」って言ってたのに、凄い変わりようだね。
モヤピンも適切な性の知識を伝えられる妖精に早く変わってよね。しょうた、セックスの本音ってなかなか伝えづらいから、性交痛以外にもお互いに気づかいが大切だよ。
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この記事を書いた人
牛場 栄之 TENGAヘルスケア社員(編集長)
大学・大学院では神経科学を専攻、おとなセイシルでは性科学や性機能学、生理学の分野を主に担当。2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当。
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性交痛?フッ、あやからも言われたことないし、俺には関係ないな。