セックスでオーガズムを得るには　TENGA女性社員の声もヒントに　

　みなさんは「オーガズムギャップ」という言葉を聞いたことがありますか？

　男女間でセックス中にオーガズムを得られる頻度に差があることを表しており、女性の方が男性に比べてオーガズムを得られる頻度が少ないことが分かっています。

　実際に、TENGAが実施した調査でも、女性の約6割は「セックスでオーガズムを得られる頻度が半分以下」でした。

　一方で、「セックス中にイケることが重要」だと考えている女性は7〜8割にものぼります。

　オーガズムを得られる頻度を上げることは、男女間のオーガズムギャップを埋めたり、セックスの満足度を上げたりすることに役立つでしょう。

　ただ、「オーガズムを得たいと思ってもどうしたら良いのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

　筆者が勤めているTENGA社には、性に対する自己理解が高い社員も多いため、「なにかヒントを貰えるのではないか」と思いアンケートを取ってみました。

　そちらの結果も参考にしながら、主に異性愛において、女性がセックスでオーガズムを得るためのヒントを探してみましょう。

この記事の監修

丹羽 咲江 医師

咲江レディスクリニック院長。

日本専門医機構産婦人科専門医、日本産婦人科学会産婦人科専門医、日本性感染症学会会員、愛知県産婦人科医会経営委員、愛知県性教育協会会員、NPO:PROUD LIFE監事、愛知・思春期研究会共同代表、日本性科学会幹事、日本性科学会認定セックスセラピスト、一般社団法人パートナーシップ推進協会理事、避妊教育ネットワーク会員

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あや、浮かない顔だけど何か隠しごとでもしてるんじゃない？

（ギクリ！）…モヤピン、わたし実は、毎回セックスでイッたふりしてるの。イかないと、しょうたが気まずそうだし、しょんぼりするから演技するようになっちゃって…。

しょうた、セックスがめちゃくちゃ下手なのかな？下手そうだよね！不器用そうだし。

モヤピン決めつけはだめだよ〜。あや、しょうたにも原因はあるかもしれないけれど、あやにもできることはあるよ。普段からセルフプレジャーしてるの？

セルフプレジャーはしているけれど、感じる場所や触れ方をしょうたに伝えるのが恥ずかしいの。エロすぎとか思われちゃうのが怖くて…。

セルフプレジャーをして快感を得られる場所を知っているのはいいことだね！でも、しょうたに伝えるのは少し怖いんだね。一緒にヒントを探していこう！

「オーガズムを得られる頻度が半分以下」の女性が約6割

　20〜40代女性への調査*¹で、オーガズムを得られる頻度が「半分くらい」以下だったのは、前戯で60.7％、挿入では64.8％でした。

「イクふり」経験は8割

　さらに、女性の80.1％が「セックスでイクふりをしたことがある」と答えました。さらに20.3％は「毎回・ほぼ毎回している」と答えています。

　これらの結果から、多くの女性がセックス中にオーガズムを得づらいにも関わらず、「イってる演技」をしていることが分かります。

8割がイクふり!?男性陣が知ったら泣いちゃうのでは!?

友達の話を思い返しても納得だわ…。それにしても挿入でオーガズムを「毎回・ほぼ毎回得られる」人がすごいわ。どうやっているんだろう。

ちなみにTENGAの女性社員18名へのアンケートでも似たような結果が出たよ。ただ、「毎回・ほぼ毎回得られる」割合は一般女性が20％以下なのに対し約30％で高い傾向にありそう。人数が少ないからなんとも言いづらいけどね…！

オーガズムが得やすくなる方法とは

　それでは、セックスでオーガズムを得るために必要なことを探っていきましょう。

　前と同じ調査で「前戯や挿入行為でオーガズムを得られることはどれくらい重要ですか」と聞いたところ、「とても重要・そこそこ重要」と答えたのは前戯で約8割、挿入で約7割でした。

　そのため、今回は両方のオーガズムの得方について解説します。

前戯でオーガズムを得る方法3選

前戯はパートナーが主体なので、女性側が工夫することは難しいかもしれませんが、このような工夫をしてみてはいかがでしょうか。

1. セックス前に血行を良くし、感度を上げる

身体の冷えによって血行が悪くなると、感度が鈍くなり身体も緊張状態になってしまいます*²。また、血行が悪いと濡れにくくなると言われており、血行改善はセックスにおいて重要です。

血行を良くする最も簡単な方法は、湯船に浸かること。パートナーと一緒に入れば気持ちも盛り上がるのではないでしょうか。お風呂に入る時間がない方は、足先だけでも布団に入れて温めておくと良いでしょう。

髪を洗っている時に洗面器で足湯したり、厚手の靴下を履いてもいいかもね！

ストレスが多かったり、寝不足だったりしても、血行が悪くなり感度が鈍くなる原因となります。日頃からストレスを溜めずにしっかり睡眠時間を確保して、体を暖めて血行を良くしておくことも大切です。

2. 要望がある場合は素直に「こうしてほしい」と伝える

要望を伝えるのが恥ずかしいという方も多いかもしれませんが、TENGAの女性社員に「セックス中に相手の触り方や体の動かし方が原因で快感を得づらい場合、どのように相手に要望を伝えていますか」という質問（アンケート）をしたところ、「シンプルに伝えている」という回答が多くありました。

　「相手が傷つくのが心配」という方は、まずは自分がしてほしい触り方で、相手を触ってあげて「こんな感じで触られるの気持ちよくない？」と伝えたり、自分の気持ち良いところに相手が触れたときに「それが好き！」「ここが気持ちいい！」と伝える方法もあります。

3. プレジャーアイテムを使ってもらう

　自分からできる提案としては、「プレジャーアイテムを使ってもらう」というのも手です。

　プレジャーアイテムは様々な形のものがありますが、女性はクリトリスでオーガズムを得る人が多いため、クリトリスにあてがい、振動で快感を得られるタイプが良いでしょう。

男性側がプレジャーアイテムを使うことに抵抗感を感じたりしないかな？

アメリカの研究では、プレジャーアイテムを使うことで男性側の「イカせないと」というストレスが軽減するという報告もあるんだよ*³。

しょうたも「お助けアイテム」と思ってくれるといいなぁ。

挿入でオーガズムを得るための方法3選

　挿入中にオーガズムを得るためには、自分が感じるポイント・方法を把握しておくことが重要です。

　また、女性器の構造的に膣内はクリトリスに比べると感度が低いです。いきなり膣内のみでオーガズムを得るのは難しいため、感じやすいポイントと同時に刺激するなどして、オーガズムの感覚を掴んでいくのが良いでしょう。

1. クリトリスと同時に刺激をする

　まずは、セックス中にできる工夫です。調査結果からも分かる通り、女性はクリトリスの刺激の方がオーガズムを得やすいです。

　「挿入でオーガズムを得られる」と回答した776名に、「挿入行為中に膣内への刺激のみでオーガズムを得られますか」と聞いたところ、約50％が「クリトリスと同時に刺激が必要」と答えています。

こんなに多くの人が挿入中にクリトリスも刺激しているのね！

自分で刺激するのも良いし、パートナーにお願いしても良いよね。

自分で刺激するってどういうこと？

挿入中に自分でクリトリスに触れて刺激するとか、体位を工夫して挿入中に相手に体にクリトリスをこすりつけるとか。

2. セルフプレジャーで挿入トレーニング

　こちらは日頃のトレーニングでオーガズムに近づいていく方法です。

　TENGAの女性社員に「セックスでオーガズムを得るために、トレーニング的にセルフプレジャーをしたことはありますか」と聞いたところ、55％(10名)が「ある」と答え、そのうち8名が「トレーニングにより、セックス中にオーガズムを得る頻度は上がった」と回答していました。

セックスでは、自分の指だと届かない場所が刺激されることも多いから、指より長い挿入アイテムでの練習は効果的だよ。
その際は、実際のセックスに近い体勢で、アイテムはあまり太いものにせず、振動させないで使うと◎！

3. 骨盤底筋を鍛える

　「骨盤底筋とオーガズム、どんな関係があるの？」と思う方もいるかもしれませんが、実は骨盤底筋はオーガズムに重要な筋肉です。

　アメリカの研究では、骨盤底筋を強化することが、性的満足度やオーガズム反応の向上に寄与する可能性が示されています。*⁴。

　研究の結果、骨盤底筋の筋力が強い女性の方が、弱い女性よりもオーガズムのスコアが有意に高かったという結果が出ています。

あわせて読みたい

【基礎&実践】女性の骨盤底筋トレーニング（骨盤底筋体操、ケーゲル体操）

パートナーが注意するべきことは？

　男性側が注意すべきことにも触れておきましょう。

　先述の調査で女性に「セックスでオーガズムに達するには何が必要だと思いますか」と聞いたところ次のような結果になりました。

　さらに、「どんな人をセックスが上手いと思うか」という質問には「優しく触れる人」が1位となりました。

　アダルトビデオなどで見られる触れ方（激しい手マンなど）はパフォーマンス的な要素も含まれているので、女性にとって強すぎる刺激であることが多いです。

　クリトリスに触れる強さは「ニキビに軟膏を塗るくらい」からスタートして相手の好みによって強くしていきましょう。

2位と3位を見てももわかる通り、イケないのはパートナーのせいじゃないことも多いよ。

イケないときも多いんだってわかってると、男性側も気持ちが楽になるね。

コンディション的に難しそうなときは、最初に伝えるようにしてみようかな！

実は事前準備が大事！オーガズムへの道

　今回は女性がセックスでオーガズムを得るためのヒントを紹介しました。セックスの最中にできることはあまり多くない、と感じたのではないでしょうか？

　日頃から血行を良くするための運動を行ったり、セルフプレジャーで自分の気持ち良い場所を知ったり、骨盤底筋トレーニングをしたり…。オーガズムには、事前準備がとても大事なのです。

　もちろん、パートナーとのコミュニケーションも必須です。お互いに言葉にして伝え合って、理解を深めていきましょう。

しょうたに、気持ちいい場所や触り方も伝えられそう？

「こっちが好き」って伝え方なら、言えそうだよ。

良かった〜！もしスルーされたら、ガツンと言ってあげるから教えてね！