オトコの悩みを語る_森林原人さんトーク_アイキャッチ

セクシー男優・森林原人さんと語る「人には言えないオトコの悩み」

2024-11-15

 セクシー男優の森林原人さんとTENGA広報の西野による「男性の性の悩み」についてトークセッションを、2024年2月に実施しました。

 性にまつわる硬軟さまざまな話題を取り上げている「月刊TENGA vol.52」*¹の内容をもとにしたセッションです。

 実施した調査結果をもとに、男性の悩みを根本から紐解き、男女のすれ違いやSNS時代における「性のあり方」を語りました。

 この記事では、トークセッションの様子をお届けします。

*1 月刊TENGAとは、TENGA広報がメディア向けに配信しているニュースレター。性の話題を取り上げ、調査結果や専門家の知見を収録しています。

注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。

この記事の協力者

協力者:森林原人

森林 原人 AV男優

日本で最も活躍するAV男優の一人。出演本数2万本以上。最難関国立中高一貫男子校を卒業してAV業界に進んだ異例の経歴を持つ。最近は出演業を減らし、性愛に関わる事象の経験、研究、考察を通して、その本質を再定義、発信することに注力している。

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この記事の協力者

西野芙美さん

西野 芙美

株式会社TENGA 国内コミュニケーションデザイン部 マーケティングディレクター 1989年、東京・下町生まれ。早稲田大学文化構想学部を卒業後、出版社勤務を経て、株式会社TENGAに広報として入社。

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モヤピン

森林さんのトークセッション見学のペアチケット抽選当たった〜!最高!モヤピン、森林さん超リスペクトしてるから来たかったの!悩みが多そうなしょうたも来れて嬉しいでしょ?

しょうた

悩みが多そうって何だよ! でもたしかに、男同士で性の話をする機会って意外となくて、1人で悩んでる人も多いと思うんだよね。森林さんはどんなふうに考えてるのか気になるな。

    男性の性の悩みが変わらない理由

    西野 今回の調査結果から、「男性の悩み年代別ランキング」というものを作りました。

    男性の悩みを年代別にランキング化した図表

    西野 こちらを見ると、年齢が上がっても「早漏」はずっと悩みの上位にランクインしていますし、年代別であまり大きな変化がないように見えます。

    森林 個人的に、悩みが変わらないのは衝撃でしたね。

    私は20歳にAV男優をデビューして、今年で45歳になるんですけどやっぱ自分の体感としても老化しているんです。

    性機能が上がっていくときもありましたが、もう完全に降り坂です。そうすると悩みの質は変わってくるわけなんですよね。

    でも20代から60代まで同じところで悩んでいるというのはおそらく、悩んでいるだけで解決に動いていないから、ずっと同じところをぐるぐるしているのではと予想します。

    森林さんと西野が会話している様子の写真

    西野 みんなそれぞれ悩みがあるけど、同じところを堂々巡りして解決までの道筋が引かれていないといったところですかね。

    森林 そう思いますね。性教育をされている婦人科や泌尿器科医の先生は、教育現場で性に関する悩みをネット検索で解決しようするのは良くないって教えているそうなんです。

    なぜなら自分に都合のいい情報でストップしてしまうから。

    例えば、避妊に失敗してしまったときにネット検索すると、「コーラで膣を洗えば問題ない」とか、自分にとって都合のいい情報だけ取り入れて、安心して終わってしまう、みたいなものです。

    西野 確かに便利になって何でも検索すれば出てくるけど、それが正しい情報か確信もないし、自分にとってほっとする回答が見つかったら、それ以上検索しなくなりますもんね

    私も男性の悩みの変化の少なさには驚きました。

    一般女性のお話を伺うと、女性は年代によって悩みが変化していくことが多いです。

    例えば産前産後で体の感じ方が変わってしまったり、更年期ならではの膣萎縮やホルモンの変化、閉経後にもさまざまな変化が起きたりなど。

    そちらと比較すると、男性の悩みは大きく変化しないように感じます。

    また「セックスのテクニック」や「早漏・遅漏」といった悩みは相手ありきの話ですが、実は女性側はそこまで気にしていないという場合もあるのかなと思いました。

    それよりも優しい声かけやエスコートをちゃんとして欲しいといった声の方が多い気がしますし、男女での意識のズレを感じます

    セックス時の感情が男女で異なる

    西野 男女の意識のズレで言いますと、ニュースレターの中で、森林さんは「セックスをする際、抱く感情のスタートラインが男女で異なる」とコメントされていましたね。こちらについて詳しくお伺いしてもいいですか。

     森林 セックスに臨む際の感情は、「緊張」を起点に8段階に分けられると私は考えます。

    男性はセックスをする際に、緊張や興奮からスタートしやすいんですよね。女性に対して興味を持ち、前のめりな気持ちがベースとしてあるから。

    でも女性は、「何をされるんだろう」という不安、防衛の気持ちからスタートしやすい

    TENGAさんの調査でも、「性交痛」に悩んでいる人の割合は、女性が男性の倍になっていますよね。「痛くても仕方ない」と思っている女性も多く、そもそもセックスに対する期待値が高くない

    これがセックスにおいて生じやすい男女のズレなんです。

    セックス時の8段階の感情と男女差についてのイラスト
    セックス時の感情の8段階(セックスガイドより)

     森林 料理で例えるなら、「美味しいものを食べてもらいたい」の前に、まずは「お腹を壊さない、安全安心なものを出さなきゃいけない」ということです。

    だからテクニックで相手を気持ちよくさせるよりも、まずは不安や緊張を取り除いてあげることが重要なんです。

    AIの進化でアダルトコンテンツが過激化?

    西野 こういった男女のズレというのは、戦後間もなくに出た雑誌にも記載があったり、普遍的な悩みのように感じます。

    一方で近年の変化として、AIテクノロジーが目覚ましい発達を見せていますが、こうした変化の影響は感じますか

    森林 去年ぐらいから人間が一切出てこない、AIの女の子だけのアダルトビデオ作品が出てきましたね。

    アダルトビデオのAI生成作品のスクリーンショット
    FANZAで販売されている「AI生成作品」カテゴリの作品

    森林 アダルトビデオ業界以外でも、一見AIだとわからない巧妙なアダルトコンテンツが、SNS上で拡散されているんですよ。

    一般の女の子の日常をアップしているアカウントなんだけど、外部リンクのファンクラブに遷移して課金すると、その子のアダルトな映像が見れるといったものも。

    この女の子が、実はAIという仕掛けです。

    西野 私も見ましたが、AIだと気づいていない人もいるんだろうなって思うぐらいリアルですよね。

    森林 こういったコンテンツが量産されることで1番怖いのは、AI相手では被害者が存在しなくなるということなんですよね。

    被害者がいないから、暴力や残虐行為など過激な内容のコンテンツも作れるようになってしまう

    被害者が生まれないAIのアダルトコンテンツと、実際の人を相手にしたアダルトビデオが混在することで、現実と虚構の区別がつかなくなり、現実の相手を傷つけてしまうといったことも考えられます。

    森林さんと話すTENGA社員の写真

    西野 今はコンビニからエロ本が消えたり、週刊誌の見出しにも細かく指摘が入るような時代ですが、本当のリスクはSNS上にあるのかもしれません

    森林 テクノロジーで作られたキレイなものに慣れてしまうと、生身の人間と接した際に、「肌がツルツルしていない、なんか匂う」といったことでがっかりして、本当の人間との交わりを受け入れられなくなるかもしれないですよね。

    今の時代に必要な「性の楽しみ方」

    西野 シンプルに性的欲求を満たすだけなら、技術の発達によってより手軽にできる時代になりました

    こうした時代に、どんな性の楽しみ方をしていけばいいと思いますか?

    森林「身体性」、もっと砕いて言うと「相手と体でつながること」が大事になると思います。

    今ではもう性行為をしなくても子供をつくることができて、今後セックスが必要ないという考えを持つ人も出てくると思います。

    でも体と体で触れるというのは、言葉を話せない赤ちゃんが人に抱っこされたときぬくもりで安心するのと同じように、人間が根源的に持っている喜びだと思うんです。

    だからこそセックスに代わる行為として、「ホカホカする感じ」とか、子供でも理解ができる、触れ合いだけの行為や概念も生まれるのではないかなと思います。

    悩みの言語化が、解決への第一歩

    森林 女性の性はフェムテックやセルフプレジャーという言葉を通して、悩みが表面化してきたり、オープンに語られるようになってきたと思うんです。

    一方で男性の性の悩みは調査結果を見るにおそらく100年前も同じ悩みを持っていて、しかも「包茎は恥ずかしい」とか「早漏はダサい」とか茶化す意図があるせいで、「ごく当たり前の悩み」として言語化されなくなってしまっていますよね。

     しっかりと言語化がされて、もっと話そうよという空気感になれば、みんなが笑う下ネタも変わってくると思います

    今は自虐ネタとして「包茎」で笑いを取っていても、「それの何が面白いの?」という空気感になってくるのかなと思います。

    こういった空気になれば悩みが「体質的」「機能・能力」「形状」など細分化されて、それぞれの解決の道筋が作られるのかなと思います。

    森林さんとTENGA社員が並んでいる写真

    ※こちらの記事は、月刊TENGA 52号「人には言えないオトコの性の悩み」発行記念トークセッション 森林原人と語る「男性の性のあり方」を再編集したものです。

    モヤピン


    森林さんのお話、おもしろかったぁ。しょうたはどうだった?

    しょうた

    セックスの感情の男女差について、料理で例えていたところがすごい腑に落ちたよ。やっぱり最高の思い出、作りたいじゃん。でもその前に「お腹を壊さない=安心できる」のが前提だよね。マジ勉強になったわ。友達にも教えてあげるよ。

    モヤピン

    モヤピンはね、「ぬくもりを感じるのは人間の根源的な喜び」って言ってたところがズキュンと来たよ。やっぱり、人肌っていいよね、しょうた。

    しょうた


    うわっ、急に抱きついて来るなよ!ぬくもりも同意を取れよ!

    この記事を書いた人

    執筆者:本井はる

    本井 はる TENGA社員(副編集長)

    大学院ではジャーナリズムを専攻し、新聞社の記者を経て、2019年1月にTENGAに入社。現在はTENGAヘルスケアとCARESSAのブランド・製品・サービスのPRを担当。

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