【早漏改善物語】TENGA早漏担当者の赤裸々インタビュー
早漏は日本人男性の約1/3が抱える、最も多い性機能障害です。
しかし、その根本的な改善方法は未だ確立されていません。
今日は、TENGAヘルスケアの早漏製品担当者にして、自身も元早漏の高橋に、早漏になった経緯や改善の道のりを語ってもらいました。
注)「ちつ」の解剖学的に正しい表記は「腟」ですが、この記事では一般的な表記である「膣」を使用します。
インタビュー対象者:高橋(TENGAヘルスケア早漏製品担当)

インタビュアー:牛場(おとなセイシル編集長)


牛場 高橋君がTENGAに入社してから約5年だけど、高橋君自身の早漏の話ってあまり聞いてこなかったよね。
高橋 そうですね。そもそも人様にお話するようなことでもないですし。
牛場 いやいや、早漏で悩んでいる男性諸氏にはきっと参考になると思うよ。根掘り葉掘り聞いていくからよろしくね。
オナホにはまり早漏を意識しだした高校生

牛場 まず、早漏を気にし始めたのはいつ頃なの?
高橋 しょっぱなから変な回答で恐縮なんですが、僕の早漏の最初の気づきは「オナホ(オナホール)」だったんですよね。
牛場 ほう、オナホ。
高橋 そうです。高校3年生(18歳)の時に、セブンティーン*に手を出してしまいまして。
*トイズハート株式会社が開発している、オナホシリーズ
牛場 へー、セブンティーンか。俺も大学生の時に使ったな。それで射精が早かったから「早漏かも」と思ったってこと?
高橋 まぁ、平たく言うとそうですね。

牛場 てか、高校生でオナホデビューってなかなか早いと思うけど、何でオナホ使おうと思ったの?
高橋 何で、っていうのもむずかしいですが(笑)。多分膣的な刺激を味わってみたいと思ったからだと思います。
牛場 まぁそんな動機だよね。セブンティーンは良かった?
高橋 なかなか気持ち良かったですね(笑)。正直、それでオナホフリークになっちゃいました。

牛場 ふーん。セブンティーン以外にもオナホ使ってた?
高橋 色々使ってましたが、フレッシュライト*の早漏トレーニング用のオナホも使っていました。
*米国の老舗オナホメーカー
牛場 高校生でフレッシュライトに手出してたのか…。もうその時から本格的に早漏対策を始めたってこと?
高橋 いや、このフレッシュライトのオナホは、快感目的が半分、早漏対策目的が半分で手を出した感じですね。当時はまだ早漏で悩んではなかったですし。
牛場 それなのに手を出してるあたり、なかなか変わった高校生だよね(笑)。値段はいくら位したの?
高橋 8,000円位ですかね。
牛場 高!高校生の8,000円は大金じゃん。
高橋 大金ですね。でも当時めっちゃバイトしてたので、某ファミレスで。高校生にしては貯金がありまして。

牛場 で、フレッシュライトのオナホで早漏は改善したの?
高橋 変化はなかったですね。
牛場 そもそもセックスしてないから改善も何も無いか(笑)
高橋 確かに(笑)。まぁでもオナホとしては満足してましたね。
高校3年生で初セックス 早かったけど早漏の悩みは浅かった

牛場 で、最初のセックスはいつだったの?
高橋 18歳、高校3年生の終わりの頃ですね。
牛場 どんなシチュエーション?
高橋 実は当時、学校をサボってゲーセンに入り浸ってまして、鉄〇って格闘ゲームをやってたんですね。で、そのプレイヤー仲間に社会人の女性の方が居て、その人の家で鉄〇をする日があったんですけど、その流れでセックスに至りましたね。
牛場 そこで自分が本当に早漏だと気が付いたと?
高橋 そうですね。挿入時間は30秒位で、ただ「初セックス」ということの方が衝撃は大きかったので、早いことに凄くショックを受けた感じではなかったです。

牛場 なるほどね。初セックスでちゃんと勃起して挿入できただけでも偉いと思うけどね。早いことについて、相手から何か言われた?
高橋 いや、何も言われなかったです。だから自己評価だけの早漏ですね。
牛場 何分くらい保つと思ってたの?
高橋 AVのイメージしかなかったので、20分位いけるんじゃないかと思ってました。
牛場 そのあとのセックスライフはどんな感じ?
高橋 大学1年生で同い年の彼女ができて、3年ぐらい続きました。その人とのセックスでも、挿入時間は毎回30秒~1分くらいでした。この頃から「自分は早漏なんだな」と自覚が芽生えましたね。

牛場 その時の心境は?
高橋 「我慢できないなー」という感じです。嫌ではあるし、長くしたかったですが、「まぁ自分は早漏だし仕方がないか」って受け入れてました。例えば、身長ってそうそう変えられないと思うんですが、それと同じ感覚ですね。
牛場 その彼女に早さについて文句を言われたことは?
高橋 無かったですね。
早漏に悩みだすきっかけは元彼女の「元セフレとセックスしたい」発言

牛場 じゃあ早漏を問題視しだしたのはいつ頃なの?
高橋 これは明確にあります。まず、大学以降も複数の方とセックスの機会がありましたが、自分が早漏であることは受け入れてましたし、そこまで問題視はしていませんでした。
で、24歳で付き合った女性(同い年)がいまして、相変わらず早漏だったのですが、この人のある発言から早漏を悩むようになりました。
牛場 ほうほう。
高橋 この人とのデートで、水族館のイルカショーの待ち時間だったんですけど、相手が多分友達に「元セフレとセックスしたいわ~」って送ってるスマホの画面が見えちゃって。「どゆこと?」と問い詰めたら、「射精が早いと思ってた」って言われまして。
牛場 理由は言ってくれたと。
高橋 そうですね。でも「そんなメッセージ友達に送るなよ!」って感じですよ。「自分がが早漏だから、元セフレとセックスしたいのか…」ってショックを受けました。

高橋 当時のその人とのセックスではゴクアツ(早漏対策用の分厚いコンドーム)を使っていたのですが、Twitter(現X)で「彼氏のコンドームめっちゃ分厚かった(笑)」みたいな投稿もされてて。「そんなこと書くなよ」ってムカつきました。
牛場 それでその後は速攻破局?
高橋 いや、なんだかんだ1年位続いたのですが、最終的に向こうが浮気して破局になりました。
牛場 その水族館の事件があって以降、関係性は変わった?
高橋 その人とセックスするのが嫌になりましたね。早かったらまたDMされるのかなって、セックスの最中によぎってました。

牛場 バレた後の彼女の態度はどんな感じだったの?
高橋 口では「ゴメン」と言ってるけど、そもそもそういうことに罪悪感を感じるタイプじゃなかったですね。水族館の事件以降は「元セフレは射精コントロールができたのに」みたいなことも堂々と言ってきたし。
牛場 それで早漏を悩むようになったと。
高橋 そうです。正確に言うと「女性を満足させられない劣等感に悩んでいた」だと思います。その彼女との残りの期間もそうですし、それ以降の他の方とのセックスでも、常にそれに苛まれながらセックスをしていました。セックスだけじゃなく、対女性の全てにおいて自己肯定感が下がっていましたね。
牛場 「挿入時間が短いから女性を満足させられていない」と思ってたってことね。
早漏対策に取り組むも挿入時間は伸びず、自己肯定感も回復せず

牛場 その後はどんな行動に出たの?
高橋 とにかく、相手を満足させる術を身に着けようと、マッチングアプリなどを駆使して、あの手この手でセックスするようになりました。
牛場 相手を満足させる作戦は?
高橋 二つありまして、まずは前戯を長く丁寧にやるようにしました。二つ目は、やっぱり挿入時間を長くしようと思い、ゴクアツ(分厚いコンドーム)以外の早漏対策方法を試すようになりました。
具体的には、気を紛らわす想像とか、勃起薬とか、早漏用の飲み薬とか、塗り薬(麻痺薬)とか。ちゃんとした薬を使うこともあれば、それっぽいなんちゃって商品に手を出したこともあります。あとは、オナニーで寸止めするトレーニングもやりました。本当にあの手この手です。

牛場 効果はあった?
高橋 前戯の方は、多少満足してもらえるようになった気がします。ただ早漏の方はほぼ改善されず、多少効果のあったプリリジー(早漏改善薬)も、副作用(吐き気、頭痛)が強くて辛かったですね。
牛場 なるほどね。自己肯定感の方は回復した?
高橋 いや、そこもダメですね。やっぱり常に「早漏である自分」という劣等感を抱えながら女性と接していたというか。今思えば「そこまで気にするなよ」って言ってあげたいのですが、当時の自分はそのことで頭がいっぱいで、セックスしてもデートしても幸せを感じられない状態でした。
早漏改善の転機は正しい知識を得たこと

牛場 でも、今は「元」早漏なんだよね。いつ頃から改善しだしたの?
高橋 これは30歳ごろですね。
牛場 TENGAに入ってからか(27歳で入社)。
高橋 そうです。早漏製品の担当になって、早漏には「骨盤底筋のリラックスが必要」と「射精には自律神経が関わっている」という知識を得たことが天啓でしたね。
牛場 具体的に言うと?
高橋 まず「骨盤底筋のリラックス」の方ですが、これは早漏に限らず男性なら誰しも「射精の直前に肛門をギュッと締めて射精を我慢する」という動きをやった経験があると思うのですが、これが早漏の人にとっては逆効果だということです。
「射精を我慢するなら寧ろ緩めた方が良い」と聞いて、最初は「ホンマかいな」と思いました。ただ、実際にやってみて、ちゃんと適切なタイミングさえ掴んだら、確かに射精感が遠のいて我慢できるな、と。例えるなら「自転車に初めて乗れるようになった感覚」に近いと思います。

牛場 自律神経の方は?
高橋 これは、そもそも自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があるのですが、男性の性機能では、勃起には副交感神経が優位な状態(=リラックス状態)が必要で、逆に射精には交感神経優位な状態(=緊張状態)が必要ということを理解して、それに沿った行動ができるようになったということです。

牛場 つまり、射精に直結する緊張状態にならないように、意図的にリラックス状態を維持できるようになったということ?
高橋 そうです。僕の場合は、深呼吸してリラックスするようにしています。息を吐く秒数と吸う秒数を数えながら深呼吸すると脳が落ち着いてきますし、リラックスできると勃起も萎えづらくなる効果も得られました。
早漏改善で「相手に向き合ったセックス」ができるように

牛場 それで挿入時間は伸びたの?
高橋 伸びましたね。毎回30秒~1分だったのが、6〜7分になりました。
牛場 めっちゃ改善してるね!
高橋 この二つの対策方法を聞いた時は、「あぁ、これも数ある早漏対策の一つだろ」くらいにしか思ってなかったんです。でもやってみると確かに射精感が抜けていって、びっくりしました。
牛場 こう聞いてると、早漏の対策って、やっぱり知識が大切だよね。
高橋 ですね。というか正しい知識を持つことがほぼ全て。そのうえで、その実行に慣れていくのが改善の流れだと思ってます。うち(TENGAヘルスケア)のトレーニングカップも、この知識(骨盤底筋と副交感神経)を前提にした商品ですし。

牛場 早漏が改善してセックスってどう変わった?
高橋 挿入時間が伸びたこと自体より、リラックスして焦らずにセックスできるようになったことが大きいですね。
牛場 それは挿入しているタイミングで?
高橋 特に挿入の時なのですが、セックス全体でですね。以前はずっと焦りながらセックスしていました。
牛場 その変化でセックスの満足度は上がった?
高橋 上がりましたね。以前は冷や汗をかきながら、とにかく射精を我慢することに集中していて、相手のことを見れていませんでした。それが相手を見れるようになりました。

牛場 相手を見れると何が変わった?
高橋 それこそ自己肯定感が上がりましたね。
牛場 え!なんで⁉
高橋 「相手が居るからこそセックスができるんだ」ということに気づけました。以前は本当にセックスは自分との闘いだったんです。早漏の方はわかると思うんですが、セックスが一人相撲なんですよ。それが、リラックスできて相手を見れて、相手が居るセックスを初めて体感できた、みたいな感じです。
牛場 へ~。
高橋 初めて自分という人間の素の状態で、セックスで相手と向かい合えた、みたいな。
牛場 早漏が改善の副産物で、そんな良いことがあるんだね。感動話。
思い返すと女性は早漏を気にしていない

牛場 高橋君のこの変化に対して、彼女側の反応はなんかあった?
高橋 無いんですよね。
牛場 素の高橋でセックスできるようになったことについても?
高橋 無いですね。だから結局、早漏は一人相撲です(笑)。本当に「自分は何と戦ってたんだ」と。昔の自分に教えてあげたいです。
牛場 そもそもさ、早漏に悩むきっかけになった水族館の人以外に、早漏に対して嫌な反応を示した人っていた?
高橋 今思い返すといないんですよね。だからこの人との一件が無かったら、早漏を気にしていなかったかもです。

牛場 一つのきっかけが生んだ、悲しきモンスターだね。
高橋 本当ですよ。だから、多くの女性は挿入時間が短いことをそこまで気にしてないのかな、と。
牛場 24歳で早漏を悩みだして、うちの会社入って30歳で早漏改善だから足掛け6年か。まぁ、6年で済んで良かったのかもね。
高橋 確かに、骨盤底筋と自律神経のことを理解する機会が無かったら、一生早漏で一人相撲セックスをしてたかもですね。
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牛場 最後に、過去の自分と、今早漏で悩んでいる方々に伝えたいことはある?
高橋 このインタビューを受けて改めて思ったのは、とにかくリラックスして落ち着いて、素の状態でセックスに臨んでほしい、ということですね。
牛場 「素になったら射精しちゃうじゃないですかー!」って声が聞こえてきそうだけど。
高橋 素の落ち着いている状態の方が射精しないんですよ(笑)。あとは「そもそも射精にこだわり過ぎない」、「射精を我慢することを意識しすぎない」ことも大切ですね。身も心もリラックスする、それができれば射精感は遠ざけられますから。
あとは、早漏で云々言ってくる女性がいたら、「そんな人とは別れてください」と言いたい。

牛場 まぁ、それは相手の言い方もあるよね(笑)。実際に、挿入時間が長い方が好きな女性はいるし。
高橋 その場合は、「二人で一緒に頑張りましょう」ですね。セックスは二人の話ですから。お互いに相手の状況やスタンスを尊重して、ぜひ相手と向き合えるセックスをしてもらいたいです。
牛場 確かに。それは早漏・遅漏関係無く言えそうだね。俺も遅漏だから、一人相撲にならないように気を付けるよ。
では、今日はありがとうございました。このインタビューが、早漏で悩む方の改善や解決の一助になれば嬉しいです。ではまた!
この記事を書いた人
牛場 健太 TENGAヘルスケア社員(編集長)
大学・大学院では神経科学を専攻、おとなセイシルでは性科学や性機能学、生理学の分野を主に担当。2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当。
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